公正証書遺言がお勧め
妻に 全財産を相続させたい と思う場合には
遺言を利用するといいです。
残された妻の 居住の確保 や 生活資金の確保の為に、
妻には、法定相続分よりも、
多く財産をあげたいと思う夫もいるでしょう。
また、そう書いて 欲しい 奥さんもいると思います。
遺言は、自ら書こうと思う場合も、
家族に頼まれて書く場合もあります。
また、テレビ放送で相続や遺言のことを見たり、
相続経験者から話を聞いて、
遺言があった方がいい と思う場合もあるようです。
遺言があると 解決できると思います。
奥さんや子供たちに、
「遺言を書いて欲しい」と頼まれる場合には
相続に関して、
「何か心配ごとがあるからだろう」と気づいてくれれば
書いてくれるでしょうが、
「後のことは、お前ら家族で話して決めろ」
なんていう態度のご主人もいますが、
家族から、遺言を書いて欲しいと言われた場合には
家族のことを考え、書いてあげた方がいいと思います。
その場合、手書き遺言ではなくて、公正証書遺言の方がいいです。
お金はかかりますが、
後で適正な遺言でない場合には、せっかく書いた遺言でも
無駄になってしまいます。
キチンと立会人を入れて、
間違いのない遺言を書く方がいいです。
高齢者になると遺言が書けない?
高齢になってしまうと、自分のことだけで精いっぱいになるし、
遺言を書けなくなる場合があります。
しっかりしている時でないと、遺言は書けません。
私が ある遺言の相談を受けた時の話です。
子供がいない高齢者の方の お世話をしている方がいました。
その人は、血縁のない遠い親戚にあたります。
その高齢の方には相続人がいません。
世話になっているあの人に、
自分の財産の全部をあげたい」
ということで、遺言に関する依頼を受けました。
その高齢の方は、高齢者用の施設に入居していましたので、
私は、その施設に行って、遺言の内容を聞き、
後日公証人役場に行って、
公正証書遺言を書くことになりました。
そして、何日か経った日に、
事前に話を通していて公証人役場に、
その高齢の方や世話をしている人、立会人、
施設の介護士の方々と行きました。
そして、公証人が、その高齢の方に、
「遺言を書くのですね」と確認した時に、
「…?」 高齢者の方は、こたえませんでした。
「遺言を書きに来たのではないのですか?」と再び聞くと、
「知らない」と 首をかしげてしまうのです。
それには、お世話をしている人も、
介護士の方も、驚いた感じで困ってしまいました。
介護士の方が言うには、
施設に入居している高齢者の方の中には、
時々、意思的な面が すぐれなくなってしまうことがあるそうです。
公証人役場まで、
介護用の車両ですが、1時間以上かかって来たので、
体調が悪くなってしまったのかもしれません。
高齢者をだまして、遺言を書かせようと
思われたら嫌だなあと不安になりました。
その後、少し経つと、元気になったようで、
自分の意思を公証人に告げて、
遺言を作ることができました。
もうこういうのは嫌です。
遺言はいらない?
遺言は、遺産を法定相続人が、法定相続分で分ける場合には
いらないと思われるかもしれません。
民法の相続は、もらう割合を示しているので、
分けない場合には、相続人全員の共有になります。
共有だと、処分や利用、費用面でも、
共有者みんなで話し合って決めることになります。
それは面倒だし、もめることにもなるので、
共有はお勧めしません。
分けられない遺産の場合には困ります。
でも、いくつか遺産があって、
各相続人で、どの財産を誰が取得するのか話合えるのなら
遺言は いらないかもしれません。
遺言があるといい場合
残された家族で、どの遺産を誰のものするのか
分けられそうにない場合には
遺言があるといいです。
家は妻に、
事業所は事業を継いだ息子に、
預金は嫁に行った娘にあげるという
特定の財産を
特定の相続人に指定して相続させたい場合には
遺言を利用するといいです。
「財産が少ないから、遺言何て面倒なことしなくてもいいだろう」
「公正証書遺言何て、お金がかかって馬鹿らしい」
と思うかもしれませんが、
財産が少なくても、家族間でもめそうと思うなら、
遺言があった方がいいです。
遺言を必要とするなら、お金をかけても、
公正証書遺言で作るといいと思います。
おムコさんが 事業を継いでいる場合、
息子の嫁に 財産をあげたい場合、
血縁のない再婚相手の子に上げたい場合には、
遺言を利用するといいです。
遺言相談も仕事としてやっていますので、ご相談ください。