農業を継ぐ長男だけ、ずるい
農民家系の相続の場合に、農業の跡取りがいる場合には
その人のことを、
よく考えてあげないといけない場合もあるかもしれません。
相続人の子供に 何人か兄弟姉妹がいれば、
田畑は農業を、継いでいようが、継いでいまいが、
親の面倒を見ようが 見まいが、
遺産は、原則、みな同じになります。
田畑を 何人にも分けてしまうと、
小規模農業になり、生産力が減ってしまうと
農業だけでは 生活ができなくなってしまうこともあります。
その継いだ長男が、全財産を相続することが当たり前でした。
家を出た次男以下の男兄弟、嫁に行った姉妹は、
遺産をもらえなかったようです。
その後、農業地域も市街化が進み、
農地が高く売れるようになった時に、
長男は、一人でもらった広大な農地を
売ったり、企業に貸したりし、
多額の収入を得ていることもあります。
それを知って、遺産がもらえなかった他の兄弟姉妹たちは、
「長男だけ、いい思いをしてずるい!」という思いになります。
その為、最近は、農民家系で相続が起きた時に、
農業を継いだ子供だけが、全遺産 又は、全部の田畑を
相続することはなくなったような動きがあります。
しかし、遺産分割の時、遺産を兄弟姉妹平等に分けてしまうと
跡取りの方が、農業だけでは
生活できなくなってしまう場合もあります。
他に扶養親族がいる場合には、
そのことも 考えなければなりません。
農民家系の遺産分割も、後継者のことも、
他の子どものことも考えて、
親がしっかり考えてあげないと いけない場合もあります。
生前対策をしないと、後継者が辛い思いをするかもしれません。
農民の方は大金持ち
国道や県道などの通りに接している田畑を
持っている場合に、企業に土地を貸している農民の方がいます。
そんな方は、
毎月、すごい金額のお金が自動的に入っていきます。
そういう方の相続は、相続税もかなりかかります。
相続の時になって、
「うちは、こんなにお金が入ってくるんだ!」と
気づく相続人もいます。
莫大な地代が入ってくる土地を、いくつか持っている場合で、
子供が何人かいると、
田畑、貸地などの土地の分け方も難しくなります。
農民家系は、大金持ち、大富豪が多いと私は思っていますが、
お百姓さんは、「自分が資産家だ」とか、
「お金持ちだ」という感覚がない人もいます。
「うちみたい貧乏人が、
人様に財産のことで相談するのは、
おかしいだろう?」
と思っている方もいますが、そんなことはないと思います。
そういう土地持ち、資産家の家系は、
不動産の相続をきっかけに、子供達や兄弟姉妹が、
不仲になってしまうことがあります。
資産家は人を信用しない
農民家系の方(資産家)は、
他人を信用しない傾向にあるような気がします。
そして特定の人たちとしか、
交流を持ちたがらないような気もします。
農協の職員のことは、大変良く信じて
なんでも相談しているようですが、
それ以外の人にあまり自分の家の事情を言いません。
不動産会社の営業マン等に、
もっている土地のことを 聞かれることも多いです。
そして、勧誘も多い。
「土地を売ってくれ」とか、
「アパートをやらないか?」
「太陽光はどうだ?」とか
押し売りをかなりされます。
持っている土地を 狙ってくる業者に
勧誘され続けていますから、
土地に関しては、他人を警戒します。
税務申告や相続手続きの時でさえ、隠す人もいるくらいです。
そして、一般電話にさえ出ない家族もいます。
連絡が取れなくてこまることもあります。
閉鎖的な感じがします。
遺産分割に悩む農民家族
大地主や資産家などの相 続が起きた場合、
会計事務所、司法書士、不動産業者、
農協職員、銀行員、建設業者、保険会社の社員など、
色々な人が介入してきます。
亡くなった方の兄弟姉妹、おじおば、近所の人など、
色々な人が介入してくるので、
立場によって色々なことを言っています。
各専門家や、親しい人が、適正な意見や助言を言っても、
信じなくて
横やりを入れられ、こじれることもあります。
お金がある家の相続手続きは、
すんなりと行かないことも少なくありません。
いい場所に土地をたくさんもっている農民の方の相続も、
色々な人がかかわってきます。
相続人も何か言われるたびに心が揺れますので、
遺産分割に時間がかかることもあります。
相続手続きの依頼を受けた方は、
調べることも、考えることも、やることも多くて
時間がかかります。すごく神経を使います。